官公庁と住友化学、このシアテック2大顧客のうち一課は後者の比率が高く、私も主として住友化学プラント内の建築物における構造計算と設計を担当しています。
具体的には、事務所、電気機器や変電設備を収納する変電室、研究所などの建築物、配管や各種機器を載せる製造架構やパイプラックなど。言ってみれば、広大な化学プラントの要所要所で固有の役割を担う多様な建築物や構造物を設計、そんなイメージです。
現在は他県のプラントに新設される試験製造用設備を軸とした大がかりなプロジェクトに担当しています。この業務では住友化学グループ内の別のエンジニアリング会社が機械設備や配管を設計し、当社はエンジニアリング機能の土建部門として鉄骨造のプラントをはじめ、計器室やパイプラックの設計、エリア内の道路や排水も含めた外構計画なども担当しております。建物単体ではなくエリア全体を設計する業務は初挑戦であり、国内外でのプラント設計経験が豊富な先輩方の助けを借りて、楽しみながら取り組んでいます。
志望動機の内容とも関連しますが、多様な部門が協調してプロジェクトを進めるノウハウを学べることは、シアテックならではの魅力のひとつだと思います。
建築部内では意匠、構造、設備設計間のコミュニケーションがとりやすく、世代やキャリアに関係なく気軽に相談に乗っていただける環境があります。基礎構造や地盤などの検討では、土木部にサポートを仰ぐこともよくあります。
社外でも、いわゆるオーナーワーク、つまり住友化学から土建領域の案件を一任され、グループ内の他社と協働して発注者視点で設計を統括するケースが多く、幅広い視野とスキルが身に付きます。
仕事以外では、休暇が取りやすく、仕事とプライベートの両立がしやすいのは大きなメリット。また、対象の社員は借り上げ社宅(住む場所)をある程度自由に選べるので、自分の時間もしっかり確保できます。
入社2年目の夏に担当したプラント内建屋の耐震補強設計は、いろんな意味で思い出深い仕事です。
まず難易度の高さ。その建屋は抜本的な補強を必要としていたのですが、前例がないうえに構造自体が複雑で、現状の耐震性評価の方法を考えるところから考察と仮説・検証を重ねて補強方法を探る必要がありました。自分なりに練り上げた理論を先輩と繰り返し議論し、より確かなものとなるよう検討したことを思い出します。
何より、私にとっては最高に手ごたえある仕事でした。この構造体に適用できる耐震基準は? この組積造の強度は?というように、先輩と考察と議論を重ねながら補強の手法を考えるプロセスそのものが構造設計の面白さを教えてくれるようで、得難い体験になりました。
この時の耐震補強設計は客先で大いに喜ばれ、社内でも「お客様の要望を叶えたモデルケース」と高評価を得て、年末の業務発表会で最優秀賞を受賞。名実ともに、忘れられない仕事です。
構造設計は奥が深く、経験を積めば積むほど、まだまだ足りない部分が多いと感じます。たとえば振動の検討、構造計算のノウハウ、構造解析的なアプローチ…これからも構造設計に関する知識をいっそう深め、信頼される技術者になれるよう努力を続けたいと思っています。
その一環で個人的に取り組んでいるのがBIMを用いた業務効率化です。弊社では構造設計者が意匠設計に関われるチャンスも多いことから、BIMと構造計算ソフトの両方を連携させて構造設計者自身が運用していけるよう、より良い方法を探っています。先輩方と共に新技術の導入にも継続的に取り組み、設計事務所として常に刺激のある環境づくりをしていきたいと考えています。
前日夕方に作成した構造図面を再チェックするため、30分早出。
仕上げた図面を翌日の朝に見直すことは時々あります。
ミーティングに備え、構造計算の内容をチェック。
協働しているエンジニアリング会社とオンライン会議。当社からは私と事業所の社員が参加。この日は図面の内容について、詳細を協議した。
以前は弁当を自作していたが、最近は様々。
事業所での打合せ資料を準備。
事業所にて新規案件(プラント内の焼却炉関連の設備)に関する検討会。まだスタートした段階であり、この日は基本計画の内容を精査・共有。
検討会の打ち合わせ内容を整理し、図面に落とし込む。それをもとに先輩方とミーティングを行う。
この日は楽器の練習予定があり、定時で退社しスタジオへ。
大学時代に始めたオーケストラをずっと続けています。シアテック入社後は県内の楽団に参加し、年2回(6月と12月)の定期演奏会に向けて練習しています。それとは別に、弦楽合奏などの小編成のアンサンブルを組んで、メンバーで持ち寄った曲に挑戦したりも。練習日は土曜が主ですが、平日の仕事帰りにスタジオに行って個人練習することもあります。
練習以外では、以前から写真撮影が好きなので、気が向いたらカメラ片手にフラッと出かけて、気になった風景を記録してみたり。友人が四国観光を兼ねて遊びに来たときは、私も一緒に観光しています。