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今回は、弊社が設計・監理を行い、2023年6月に運転を再開しました「肱川発電所」についてご紹介いたします。
本発電所建屋は、2018年7月西日本豪雨の際、肱川河川水位が建屋地盤面から約1.2mにまで達し、その水圧で建屋の開口部が破損したことで、内部の設備が水没する被害を受けました。そのため、今回の建替工事にあたっては、災害時と同等規模の肱川河川水位においても、建屋内の設備に被害が生じない構造とすることが求められました。
建屋構造は地上2階・地下4階建てであり、地下構造は敷地背面のダムと発電機本体が径約3mの水圧鉄管で繋がれた強固な構造となっております。そのため、地下部分は既存を転用し、地上階のみを改築する方針で検討を進めました。
現行法規では、既存部分と構造一体型で改築を行うことは建築確認許可上、難易度が高いとされていますが、地下構造物の再評価を適正に行うことで建築許可を得ることができました。
【既存構造一体型での構造検討】
地下構造物の構造再評価
・鉄筋探査やコンクリートの強度試験他、既存構造部を調査し、既存部材の強度を設定
・現行法規に従って上部構造と既存地下構造を一体モデルで解析し、構造安全性を確認
【浸水対策】
①配電盤等の重要設備やケーブルダクトの引き込み口及び通用口を2階(想定浸水高さ以上)に配置
②1階に設ける出入口には防水扉及び防水板を採用
・点検メンテナンス用出入口:防水扉の採用
・機器搬入出用シャッター :スライド式防水板の採用
③躯体材料に水密性の高い不透水性コンクリートを採用
・コンクリートの混和材に躯体防水効果を高めることができるシリカホワイトを採用
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【建築概要】
建設場所:愛媛県大洲市肱川町
構造規模:鉄筋コンクリート造
地上2階・地下4階建て
延床面積:1,024.44㎡(352.84㎡)
( )は地上改築面積
建築面積:368.48㎡
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弊社は、今後とも最適な技術とこれまでに蓄積したノウハウの活用により、誠意をもってお客様の想いを形にするお手伝いを行ってまいります。
【 補足資料 】
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※PDFファイルが別ウインドウで開きます。 |
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