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今回は、弊社の設計・監理により、昨年11月に竣工しました日本溶接協会九州地区溶接技術検定委員会殿の九州検定試験場新築工事についてご紹介させていただきます。
本施設は、福岡県北九州市に位置し、九州地区における溶接技術力向上に寄与する技能研修や評価試験等を行い、各種多数の溶接機や大型会議室を保持する施設として、日本溶接協会殿の九州地区における拠点となっております。
今回、新築した施設は、これまでは試験場と事務所が別棟であり、特に試験場については築100年を超えるレンガ造りの構造であったため、機能面や耐震性の改善が課題でありました。したがいまして、試験場と事務所を一つの建物に統合し、1階に実技試験場、2階に事務室を配置し、両者の動線を明確に分離するとともに、1階エリアについては溶接検定、評価試験、スクラップ処理まで一連で作業できるよう配置し、効率性と機能性を重視した配置としました。
一方、地域の景観条例への対応や周囲の工場地区との調和、「地域性を反映したい」という九州地区溶接技術検定員会・建設委員会様の要望を満たすべく、外観についてはデザイン・色彩にわたり建設委員会様の提案を尊重して決定しました。その一例は以下の通りです。 |  |
①歴史ある光景を残す。
「今までの検定試験場は、約100年前に建造されたレンガ造であったことから、その光景を残したい」という要望に対応し、レンガをスライスし玄関壁面に使用し、歴史の名残を建物に刻みました。また、レンガ造の検定試験場は、かつては明治紡績の建物であり、この所有者は北九州の実業家であった松本健次郎氏でした。旧松本邸(現:西日本工業倶楽部)は辰野金吾設計のアールヌーボー(仏語:Art Nouveau)様式であることから、建設委員会様の提案に基づいて本検定試験場の屋根をアールヌーボー調にしました。 |
②地域性を表現する。
検定試験場の所在地が製鉄の町である北九州市戸畑地区であるため、建設委員会様から玄関前の風除室の設置とその補強材に 新日鐵住金(株)八幡製鐵所製造の耐候性鋼(コルテン鋼)の採用の要望がありましたので、これを使用しました。 |
【建物概要】 ●鉄骨造2階建 ●延床面積 1025.45㎡ ●建築面積 567.25㎡ ●主要室 : 1階 実技試験場、2階 事務所、会議室
弊社は、今後とも、最適な技術とこれまで蓄積したノウハウの活用により、お客様の想いを形にするお手伝いを的確かつ誠意をもって行ってまいります。
以上
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