皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申しあげます。
日頃は格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申しあげます。
今回は、弊社が設計を行いました「既設貯蔵タンク基礎 液状化対策」についてご紹介します。
本施設は、建設後30年以上が経過した貯蔵設備(横置円筒型タンク 容量:約550㎥)ですが、このたび、同施設の耐震性向上を目的に、地盤液状化発生を抑制するための地盤改良工事を計画しました。
弊社では、従来から、お客様の施設、生産設備および貯蔵設備等につき設計・施工・メンテナンスの各段階において耐震性の向上に取り組んでおりますが、本計画においては、「設備を稼動させた状態で工事を実施してほしい」という要請がありました。一般的な地盤改良工事の方法として「大型重機による地盤の締固め」、「基礎杭の増打ち」、「施設周囲への鋼矢板打設」などが挙げられますが、いずれの工法も設備を停止させる必要があります。
したがいまして、弊社では、お客様の要請にお応えするために、「薬液注入固化工法」を用いた地盤改良工事を実施することといたしました。その概要については以下のとおりです。
-
「薬液注入固化工法」とは、地盤に水ガラス等の薬液(恒久型)を注入することにより、その薬液を地盤中の水分と置き換え、短時間でゲル状に固結させるというものです。本処理を施すことにより、地震発生時には土の動きが抑制され、液状化発生のリスクを低下させることができます。
- 本工法においては、施工時の工事による振動を最小限に抑えることができ、既設の基礎部分に対して影響を殆ど及ぼさないため、設備を稼動させたままの工事実施が可能となりました。
さらに、今回の工事は、当初、施設から20m~30m離れた地上に機材を設置し、曲線削孔にて実施する計画でした。しかし、施設近傍に立坑(深度約5m程度)を築造し、通常のボーリングマシーンを活用し地下からの水平削孔方法を採用することで、地中の削孔延長を低減することができ、コスト削減を実現することができました。
現在、社会的に大地震に対する耐震対策・減災対策が求められ、既存・新設を問わず施設や設備の耐震補強や地盤改良等の対策が急務となっております。弊社では、最新技術の適用とこれまで蓄積したノウハウを活用し、地盤状況の調査・評価から今回ご紹介した対策工法の計画までお客様のご要望にきめ細かくお応えしてまいります。
以上
|
※PDFファイルが別ウインドウで開きます。 |
|
|