【里山砂防の背景】
里山は、生活環境の一部として手入れされてきましたが、中山間地域では人口の減少・高齢化により担い手が不足し、また都市近郊では生活様式の変化により里山の利用が少なくなっています。このため、里山の管理がなされず荒廃が進んでいます。
その結果、森林が本来持つ多面的な機能(水源涵養、生物多様性、災害防止、地球温暖化、レクリエーション機能)が発揮できない森林が増加しています。森林の荒廃は、国土の保全や環境にも大きく影響を与え、土砂災害や流木災害の危険性が高まっているところが増えています。
このような中、中山間地が抱える防災上の問題は、以下の通りです。
1.人口減少による防災活動等の担い手の減少が進んでいる。
2.防災活動に資する資機材が偏在している。
3.集落への道路が被災し孤立化が発生しやすい。
4.土砂災害の被災危険箇所が多い。
これらの問題を、すべて公助により対応するには限界があることから、自助・共助の地域コミュニティを基本とする防災力を強化することが必要になっています。
【里山砂防とは】
里山砂防事業は、個別の集落が持つ防災機能を共有することによって、一定の地域防災力を確保できる一連の集落集合体を事業の実施単位として、ハード・ソフトの両面から総合的な砂防事業を展開するものです。また、これにより地域活性化のための諸施策を支援するものです。
●過疎化などの影響で荒廃が進んだ山林を、住民と連携して保全を図る取り組み。
●里山地域の土砂災害からの安全を図るのと併せ、自然環境豊かで災害に強い地域づくりを行う。
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