株式会社シアテック 株式会社シアテック

CIATEC INFORMATION

CIATEC INFORMATION No.63

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平成20年12月

No.KK-063
「水抜きボーリング工事(地すべり対策)」の事例紹介
皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。日頃は、格別のご愛顧を賜わり、ありがたく厚く御礼申しあげます。

今回は、水抜きボーリング工事が期待通りの効果をあげた事例を紹介させていただきます。

地すべりとは、斜面の一部あるいは全部が降雨による地下水上昇の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象のことをいいます。地すべりが一旦動き出すと、これを完全に停止させることは非常に困難であり、移動する土塊量が大きいことが多いため、被災地域は甚大な被害に見舞われます。

地すべり対策工事のうち、水抜きボーリングは、地すべり運動を緩和または停止させることを目的に、地山内部に向かって水平方向にボーリングをして、地下水(地表面の下を流れる水)を排除する工法です。この工法は比較的安価ではありますが、目に見えない地山内部の地下水に対して行うことから、事前に各種調査を入念に行わないと、必ずしも期待通りの効果が得られるとは限りません。
水抜きボーリング 弊社が今回手がけたケースでは、各種調査により降水量と地下水位、地すべり挙動の関係を確認しました。その結果、対策工として水抜きボーリングが適切であると判断しました。

対策は、2年に亘り実施しましたが、第2期工事では第1期工事より施工密度を高くし、排水能力をアップさせる工夫を施しました。

対策の結果、地下水位は対策前に比べて最大で6.68m低下しました。地すべりの変動量も対策完了前は1度の豪雨で2.5~3.9mm変動していたものが、対策完了後は2年間の累積で0.15mm~4.1mmとなり、斜面の安定化が図られました。

対策工費は約3千万円で、アンカー工による対策と比較すると、1割以下の工費で済みました。
水抜きボーリング排水状況 集中豪雨直後撮影 水抜きボーリング排水状況
集中豪雨直後撮影
弊社は、今回ご紹介したケースでは調査・観測、解析、対策の検討、対策の実施まで一連の業務を行いました。
引き続き、お客様に適切なご提案をしてまいりますので、何なりとご用命ください。
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