今回は、NO.32号で紹介しました弊社の設計による新居浜第一統合生産センターの構造的特性につきまして、ご紹介させていただきます。
本建物は、プラント群の集中制御を担う計器室が配置される1階の構造耐力の向上のために鉄筋コンクリート造とし、かつ、統合計器室としての機能を発揮するために、無柱空間を確保する必要がありました。
このため、中央部に配置した計器室の上部構造である2階スラブを支持する大梁を鉛直力のみを負担するPC構造の梁とし、地震力は外壁と計器室外周の間仕切り壁の2重の鉄筋コンクリート壁に負担させて、約600m2の無柱空間を確保しました。
また、2階、3階は、コスト、工期上のメリットから鉄骨構造としましたが、1階同様、中央部に大きな空間を必要とする執務室、その周囲に会議室等の附帯室を配置し、執務室を2重に取り囲む柱列帯を耐震要素とすることで、1階の計器室と同規模の無柱空間を確保しました。
なお、執務室部分の3階、R階の大梁は長大スパンとなるため立体トラスを採用し、剛性を十分確保し、床振動等の対策をとっています。 |